top of page
​要は荒い砥石から少しずつ細かい砥石にして行き、最後は砥石の傷が見えなくなるまで仕上げます。
​荒い砥石から順番に金剛砥(人造)、大村砥、備水砥、改正名倉砥、中名倉砥、細名倉砥、内曇砥、鳴滝砥
の順番で進めて行きます。
人造石も有るのですが、内曇砥と鳴滝砥に関しては、天然石でないと仕上がりが劣ります。
​最後に差込研ぎや酸化鉄などによる拭いもあります。
002.jpg

さて、これからこの刀を研磨していきます。

錆は大したこと無し、鎬線はしっかり通っている

刀身の曲がり無し、ただ問題は平地の部分が本来は

ふっくらとふくらんでいる物ですが、この刀は逆に凹んでしまっています。

平地は刃の部分より柔らかいので、無頓着に研ぐと

​こうなってしまいます。写真では解りませんけど。

​触れば解ります。

004.jpg
014.jpg

​まず下地研ぎです、棟と鎬の部分を備水砥により錆を除去

し、形を整えます。

庵がきちんと通り鎬地をまっ平らに研げば、重ねも決まり

平地の凸凹は鎬の線が乱れるので解ります。

その後、平地を研ぎ、刃も付けます。

今回最も重要なのは、凹んだ平地に肉置きを付け、

​刀本来の形に戻すことです。

図$1.jpg
020.jpg

平地の肉置きが決まり、切先に刃をつけ、なくした肉置き

をつけると、横手線も立ってきます。

これで形の完成です。

あとは、砥石を細かくして行き、疵を消し艶を出す作業です。

052.jpg

内曇砥まで終わった状態。

​刃文も見えてきましたね。

067.jpg

ハバキの完成。

下の木は朴の木で、白鞘をこれから作成します。

​研磨作業は一旦休止です。

071.jpg

内曇砥による下刃艶をします​。

焼きが二重三重に重なり、葉、足、飛焼きなども現れる

​複雑な刃文です。

019.jpg

刃取り作業をします。

焼刃の部分を白く見えるように、梨地化させます。

​全体の調和を考えながら、焼刃より少し大きく白くします。目立つ部分ですから、特に丁寧にやらねばなりません。

021.jpg
077.jpg
070.jpg

切先のナルメ作業完成。

このあたりの工程は、流派によって多少順番が変わります。

IMG_20180910_093336.jpg

​ナルメ台

鳴滝戸による地艶終了。

この工程で平地の肌模様、地景などの特徴を引き出します。地は青黒くなり、内曇砥の疵を完全に取ります。

​のっぺりした感じにならない様に気をつけねば為りません。

平地の地景が解りますか?

次は鎬地の磨きです。このような磨き棒を使います。

素地研ぎが荒いとギラギラして鍛え目もみえなくなりますので、このぐらいの状態まで綺麗にしておきます。

​そして力をあまり入れず、品よく仕上げねばなりません。

IMG_20180910_093147.jpg

​磨き棒

119.jpg

磨き終了。

刃艶も最終段階です。

​次は拭い作業です。

121.jpg

拭いも終わり、ついに完成です。

研磨作業は、足すことは出来ず、減らす一方ですが

肉置きが適正になりましたので、逞しく見える刀身に

​なりました。

097.jpg
124.jpg

白鞘も完成。

bottom of page