中国の宋代に「日本刀歌」が有ります。
和訳、「昆夷の国は遠い所にあり、行き来も出来ない。
世に昆吾刀という玉をも切る事が出来る名刀があることを伝えているが、
誰も確かめた者はいない。ところが最近宝刀が日本の国より出てきた。
越の商人がこれを青海原の東に求めてきたが、それは香木の鞘に鮫の皮が貼ってあり、
真鍮と白銅を取り混ぜて飾ってある。百金と言う大金を払って好き物の手に入った。
佩用していると悪魔を払ってくれるという。
伝え聞くところによると日本の国は大きな島であり、土地は沃えて風俗は好い。」
越の商人が平安時代後期、日本に渡来し買い付けたようです。
これは宝刀として中国へ渡った物ですが、武器としても大量に輸出されたようです。
木宮泰彦の推計では明代だけで20万本、後藤粛堂の推計では享徳二年から
天文八年までの85年間で約113万8千本中国へ輸出されたと言います。
しかし中国では、殆んど残っていないようです。
千年前の刀が日本では、しっかり有りますから、いかに日本人は刀を大事にしていたか
想像できます。ほっておけば消え去る鉄のかたまりですから。
これからも大切にしたいものです。
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