「昨日の自分に今日は勝つ」兄弟子が日本古武道協会の演武の際、ご一緒した柳生新陰流の 延春先生に頂いた色紙に書かれた言葉です。 柳生 宗厳 の言葉だそうです。
いい言葉ですね。でも私は毎日このように思って生活したら疲れてしまいますから、せめて
退化しないぐらいでは居たいです。古武道の修行は現代武道の様な試合で勝つ喜びは有りませんが、少しずつ技が進歩するのは実感できます。
それが楽しくて長年続けられるのです。
急に上達しなければいけない目標も有りませんから、一段づつ階段を登る様に稽古を続け、
一生の楽しみにできます。
そして大きな流れでみれば、昨日の自分に今日は勝っている筈です。
「述べて作らず」孔子の言葉だそうですね。 古人の言動をつたえ、作り話をしない。 そういえば、仏教もキリスト教も 世阿弥 の 風姿花伝もソクラテスの弁明も、もちろん論語も 挙げればきりが有りません。 本人ではなく弟子が書いていますね。 物事を伝承していくのに良い形なのでしょう。 古武道の伝承もまさにそうだと思います。 技や考えが現代に合わないから、自分が新たに創始した と言う武道も沢山ありますが、私
柳生心眼流に入門したばかりの頃、知った話です。 諸国を廻り武者修行した竹内久勝（竹内流）は最後に宇喜多忠家と勝負することにした。 対座した久勝と忠家は酒と料理を前に楽しく談笑していた。 突然久勝が腹が痛いと訴えた、心配して薬をさしだす忠家のスキを逃さず当身を入れ 縄で縛り上げた。 気が付いた忠家は暴れて縄を解こうとした。 その時、久勝が、一度死んだものが動くな！と制した。 現代の人間なら、久勝は卑
柳生心眼流の星國雄先生に御指導頂いていた頃、まず口で動きを指示されます、そしてこうですかとやります すると「違う！」 と言われます、「違う！」を何回か繰り返して、ついに「そうだ！」と言われて 「では次はこう動いてみろ」と言われて またその通りにやる。この繰りかえしでしたが、これでも先生の話では「昔はこんなに手取り足取り教えなかった」と言っていました。 一度技を見せて、後は自分で工夫しろと言う指導だ